鯉の甘煮

鯉の甘煮 本県内陸地方の代表的なハレ食「鯉の甘煮」。筒切りにした鯉を、ざらめ砂糖、醤油、酒でじっくり煮込んだ甘露煮です。身はもちろんのこと、内臓、卵、そして皮まで美味しくいただけます。

◇◇日々の暮らしと鯉◇◇

立身出世することのたとえに「鯉の滝登り」という言葉があります。また、急流を登りきった鯉が龍になったという伝説から、成功のための関門を「登竜門」と言います。5月5日の端午の節句には、男の子の健やかな成長を願って大空に「こいのぼり」を泳がせる風習があります。今年は辰年、龍の年。鯉を食べて龍伝説にあやかってみませんか?

◇◇本県内陸地方と鯉◇◇

農家では屋敷内に池を作り、そこで鯉を飼育したものです。鯉は雑食性。餌は、台所から流れ出るご飯くずや養蚕で出る蚕のさなぎなどでした。

調理する場合は、数日前からきれいな水に移して泥を吐かせます。“俎上の鯉”のことわざ通り、まな板に載せられた鯉はあまり飛び跳ねたりしません。また、水のない状況でも数十分生きています。このように生命力の強い魚ですので、人間の寿命と同じくらい長生きする個体もあるそうです。

鯉は縁起の良い食べ物とされ、お盆やお正月、お祭など祝の席があるとお膳に載る代表的なハレ食、行事食です。昔は貴重なタンパク源でもありました。今でも産後の女性が鯉を食べると母乳の出が良くなる、あるいは産後の肥立ちが良くなるとの言い伝えが残っている地域があります。