にしん

山形は桜の花が咲き、最高気温が20℃を超える日も出現するようになりました。いよいよ春本番。長かった雪に埋もれた暮らしがウソのようです。今回はニシンと山形県の食について調べてみました。

にしん焼いている魚は、大きさ約30センチの子持ちニシンです。ニシンは別名「カド」ともいい、ニシンを指すアイヌの言葉であるとの説があります。

「春告魚」と書いて「ニシン」と読ませる場合もあります。春になると産卵のため岸に寄ってくるところを獲っていた事が、この漢字の由来のようです。ニシンは、オホーツク海などの北の海に棲む魚です。昔は大量に獲れていた時代がありました。

その頃の本県には「身欠ニシン」や「カズノコ」、「塩ニシン」に加工されて届き、海から遠く離れた農山村では貴重なたんぱく源になっていました。山菜との煮物や昆布巻きニシンなどの郷土料理にも登場します。

「戦前は塩ニシンを魚屋から箱で買い求め、そのまま囲炉裏で焼いたり、干物にして食べた」そうです。地主でもない普通の農家が箱買い出来たのですから、当時は大量に獲れて安価な魚であったことが伺えます。

当時の本県内陸地方は冬になると雪のため新鮮な魚の入手が困難でした。雪解けの頃に入荷してくる海の魚がニシンだったのです。

このような背景から、県内各地でニシンを屋外で焼いて宴を開いたり、ひな祭りにお供えする風習が生まれました(今でも一部の地域に残っています)。本県内陸部に暮らす者にとってニシンはまさに “春を告げる魚”なのです。

にしん

カド焼きまつり山形県北部に位置する新庄市では「カド焼きまつり」がちょうど開催中です。
期間は5月5日土曜日まで。会場は最上公園内特設会場。お出かけになってはいかがでしょう。

写真は今年の会場風景。見頃を迎えた桜の下で男衆は焼いたニシンを肴に酒を酌み交わし、女子衆はお団子や山菜の煮物でおしゃべりに興じています。